着物に関する基礎知識まとめ②〜保管方法・手入れなど〜

着物は、日本の伝統的な美しさを体現した衣装です。

しかし、着物を着るには様々な知識や技術が必要であり、時にはお悩みもつきものですよね。

そこで今回も、着物に関するよくあるご相談や困りごとに焦点を当て、解決ポイントを紹介します。

着物の保管方法

着物の保管方法は、着物を美しい状態で長く保存するために非常に重要です。

以下に、着物を保管する際のポイントをまとめました。

1. たとう紙の使用

着物を保管する際には、専用の包み紙である「たとう紙」が必要です。

たとう紙はカビや埃、シワを防ぐ役割を果たします。

一着の着物に対しては一枚のたとう紙を使い、複数の着物をまとめて包まないようにしましょう。

まとめて包むと湿気がこもりやすくなり、シワの原因にもなります。

2. 桐のタンスや収納ケースへの保管

包んだ着物は、桐のタンスや着物用の収納ケースに入れて保管します。

美しいまま保管するためには、通気性の良さが重要です。

着物を詰め込みすぎないように注意しましょう。

3. 虫やカビの防止

着物にとって虫やカビは大敵です。

防虫剤や除湿剤を使って防ぎましょう。

ただし、複数の防虫剤を入れたり、着物に直接触れるように置くと汚れやシミの原因になる可能性があるため、注意が必要です。

除湿剤も定期的に交換し、衣装ケースの通気性を確保しましょう。

4. 定期的な虫干し

着物をしまったままにせず、年に2回程度は定期的に「虫干し」を行いましょう。

タンスや収納ケースから取り出して、風通しの良い場所で1~2日間陰干しを行います。

この際にたとう紙も交換し、湿気を取り除きます。

これらのポイントを守ることで、着物を美しい状態で長く保存することができます。

着物の価値を守るために、丁寧な保管を心がけましょう。

汚れやシミの対処法

着物の汚れは、その種類によって適切な対処法が異なります。

ここでは、油性の汚れ、水性の汚れ、そしてタンパク質を含む汚れに対する対処法を解説します。

1. 油性の汚れの対処法

油性の汚れは、ファンデーションや口紅、ペンのインクなどが該当します。このような汚れには、以下の手順で対処します。

  • 汚れた部分を置く布の上に着物を置きます。
  • ベンジンを含ませた脱脂綿などで、汚れた部分をトントンと叩くようにして汚れを落とします。

2. 水性の汚れの対処法

水性の汚れには、お茶やコーヒー、お醤油などが該当します。水性の汚れを落とすには、以下の対処をします。

  • 中性洗剤を水で薄めた液に染み込ませたガーゼなどで、汚れた部分を軽く叩いて落とします。
  • 下に布を敷くことで、着物の生地を傷つけることなく汚れを取り除きます。

3. タンパク質を含む汚れの対処法

血液や卵、乳製品、赤ちゃんのよだれなど、タンパク質を含む汚れは特に注意が必要です。以下の手順で対応します。

  • タオルやハンカチで優しく汚れた部分を拭き取ります。こすりすぎないように注意しましょう。
  • 水性汚れと同様に、中性洗剤を使って汚れを落とします。

汚れに直面した際は、汚れの種類に応じて適切な対処法を選択しましょう。

力任せにこすったり、適切でない方法で汚れを落とすと、着物の生地を傷める可能性があるため、注意が必要です。

着物のサイズが合わない場合

着物の着付けにおいて、身長や身幅の違いは着付けの技術を駆使して調整することができます。

たとえば、着丈の調整では「おはしょり」と呼ばれる方法で着物をたくし上げて、帯の下に折り込むことで丈の長さを調整することができます。

それでもまだ着物の丈が長い場合は、着物を引っ張り上げて胸紐を使って固定するなどの工夫ができます。

また、着物の身幅が大きくてぶかぶかな場合も、脇の下に折り込むなどの着付け方でシワなくぴったりと着用することができます。

しかし、着物の着付けで調整できる範囲には限界があります。そのような場合は、仕立て直しや寸法直しを検討しましょう。

仕立て直しとは、着物を解いて1枚の反物に戻し、その状態から現在の体型に合わせて再度仕立てることです。

大きい着物を小さくするだけでなく、逆に余裕を持って仕立てられていた着物を大きくすることも可能です。

また、袖の部分だけの調整といった細かな寸法直しも行うことができます。

着物の着付けや調整は、着物の素材やデザインに応じて異なるため、専門の着付け師や仕立て屋に相談することが大切です。

自分に合った着物の着こなしを楽しむために、適切な調整方法を探ってみましょう。

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