お子様の入学式や卒業式は、家族にとって特別な節目となる大切な日です。
お子様の晴れ姿を引き立てつつ、品格のある装いを心がけたいもの。そんなシーンで「着物を着て参列したい」と考えるお母様も多いのではないでしょうか?
しかし、「どんな着物がふさわしいの?」「入学式と卒業式で違いはある?」「帯や小物の選び方は?」など、疑問も多いものです。
本記事では、子供の入学式・卒業式にふさわしい母親の着物選びについて、詳しく解説します。
1. 入学式・卒業式に着る着物の基本ルール

入学式や卒業式は、お子様が主役の式典ですが、母親としても場にふさわしい装いが求められます。
まずは基本的なルールを押さえましょう。
① フォーマルな装いが基本
入学式・卒業式は、格式のある式典です。そのため、カジュアルな普段着の着物(小紋やウール着物)ではなく、準礼装以上のフォーマルな着物を選ぶのが基本です。
母親にふさわしいフォーマル着物の種類
- 訪問着
- 色無地(一つ紋付き)
- 付け下げ
- 江戸小紋(一つ紋付き)
振袖や黒留袖などの第一礼装は、格式が高すぎるため避けるのが無難です。
② 入学式と卒業式では、着物の色や柄を変えるのが一般的
入学式と卒業式では、式の意味合いが異なります。それに合わせて、母親の着物も適切な色や柄を選ぶと、より洗練された印象になります。
式典 | 選ぶべき色 | おすすめの柄 |
入学式 | 明るく華やかな色(ピンク・クリーム・淡いブルーなど) | 上品な花柄、吉祥文様(桜・牡丹・熨斗目など) |
卒業式 | 落ち着いた色(グレー・藤色・ベージュ・淡い紫など) | シンプルな柄、控えめな古典柄(松竹梅、亀甲、扇など) |
ポイント
- 入学式は「新しい門出」を祝う場なので、明るく華やかな色合いが好ましい。
- 卒業式は「別れと旅立ち」の式典なので、落ち着いた色合いが適している。
2. ふさわしい着物の種類と選び方

① 訪問着(準礼装)
訪問着は、肩から裾にかけて絵羽模様が入ったフォーマルな着物です。
格式が高く、入学式・卒業式のどちらにも着用可能。上品な柄や控えめな色合いを選べば、どの式典でも違和感なく着られます。
- おすすめの色
- 入学式:淡いピンク、クリーム色、淡いグリーン
- 卒業式:グレー、淡い紫、落ち着いたベージュ
- おすすめの柄
- 吉祥文様(桜、橘、梅、熨斗目、亀甲など)
- 流水模様や唐草模様など、品のあるデザイン
② 色無地(一つ紋付き)
柄のないシンプルな着物ですが、一つ紋が入っていればフォーマルな場でも着用可能です。
上品な雰囲気で、帯や小物次第で華やかにも落ち着いた印象にもできます。
- おすすめの色
- 入学式:明るめの藤色、薄い水色、クリーム色
- 卒業式:藤色、グレー、ベージュ、淡い紫
③ 付け下げ
訪問着よりも控えめな柄付けの着物で、フォーマルな場にも適しています。
柄が多すぎないので、上品な印象になります。
- おすすめの色・柄
- 入学式向け:明るいピンク×桜や牡丹の柄
- 卒業式向け:落ち着いたグレー×亀甲や松竹梅の柄
④ 江戸小紋(一つ紋付き)
細かい柄が全面に施された江戸小紋も、一つ紋が入っていれば準礼装として着用可能。
シンプルながらも品格があり、格式のある場にぴったりです。
- おすすめの色・柄
- 紺、藤色、グレー、淡い緑など
- 鮫小紋、行儀、角通しなどのシンプルな柄
3. 帯や小物の選び方:着物姿を格上げする重要ポイント

着物姿は、着物だけでなく、帯や小物の選び方によって大きく印象が変わります。
入学式・卒業式というフォーマルな場にふさわしい、上品で洗練されたコーディネートにするためのポイントを解説します。
① 帯の選び方:格式と調和を意識して
帯は、着物姿の印象を大きく左右する重要なアイテムです。入学式・卒業式のようなフォーマルな場では、格式と調和を意識して選びましょう。
- 帯の種類:
- 袋帯: 格調高く、フォーマルな場に最適です。金糸や銀糸が織り込まれたものは、華やかさをプラスしてくれます。
- 素材と柄:
- 金糸や銀糸が織り込まれたもの、または織りの帯がおすすめです。
- 入学式には、明るく華やかな柄、卒業式には、落ち着いた柄が適しています。
- 色の選び方:
- 着物との調和を考え、控えめで上品な色を選びましょう。
- 入学式: 淡いゴールド、薄ベージュ、上品なシルバー系など、明るい色合い
- 卒業式: 落ち着いたシルバー、グレー、薄紫など、落ち着いた色合い
② 帯揚げ・帯締めの選び方:上品なアクセントをプラス
帯揚げと帯締めは、帯周りを彩る小物です。控えめながらも、上品なアクセントになるようなものを選びましょう。
- 帯揚げ:
- 正絹の縮緬や綸子など、上質な素材を選びましょう。
- 入学式: 白、クリーム、淡いピンクなど、明るい色合い
- 卒業式: 淡い藤色、薄グレーなど、落ち着いた色合い
- 着物や帯の色との調和を考えて色を選ぶと、より上品な印象になります。
- 帯締め:
- 平組や丸組など、格調高い組紐を選びましょう。
- 金糸や銀糸が織り込まれたものは、華やかさをプラスしてくれます。
- 帯揚げと色をそろえるか、または反対色を選ぶことで、コーディネートにメリハリが生まれます。
③ 草履・バッグの選び方:足元と手元も上品に
草履とバッグは、着物姿の足元と手元を彩る小物です。着物や帯との調和を考え、上品で控えめなものを選びましょう。
- 草履:
- 白やベージュなど、シンプルな色合いのものがおすすめです。
- かかとの高さは、5cm程度のものが歩きやすく、上品な印象になります。
- 素材は、エナメルや布製など、着物の格に合わせたものを選びましょう。
- バッグ:
- 布製やシンプルなフォーマルバッグがおすすめです。
- 着物や草履との調和を考え、上品な色合いとデザインを選びましょう。
- 小さめのバッグが、着物姿をすっきりと見せてくれます。
コーディネートのポイント
- 着物、帯、小物全体のバランスを考え、統一感のあるコーディネートを心がけましょう。
- 主役であるお子様を引き立てるため、過度な華やかさは避け、上品で控えめな装いを意識しましょう。
- 迷った場合は、着物専門店や呉服店のスタッフに相談するのもおすすめです。
これらのポイントを参考に、入学式・卒業式にふさわしい、上品で洗練された着物コーディネートを楽しんでください。
4. 入学式・卒業式にふさわしい母親の着物まとめ
- フォーマルな着物(訪問着・色無地・付け下げ・江戸小紋)を選ぶ
- 入学式は明るめの色、卒業式は落ち着いた色が好ましい
- 帯や小物はシンプルかつ品のあるものを選ぶ
- 過度な華やかさを避け、主役である子供を引き立てる装いを意識する
お子さんの大切な晴れ舞台に、品格のある着物姿で参列することで、思い出に残る素敵な一日となるでしょう。
着物を着ることで、特別感が増し、お子さんの記憶にもきっと残ります。ぜひ、入学式・卒業式にふさわしい一着を選んで、素敵な思い出を作ってくださいね。
(記事制作者:廣田 )
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