着物は日本の伝統的な衣装であり、着るだけで特別な気分を味わえるものです。
しかし、着物には独自のマナーやルールが存在し、それを知らずに着てしまうと周囲に不快感を与えたり、自分が恥ずかしい思いをすることもあります。
本記事では、初心者でも安心して着物を楽しめるよう、知っておくべき基本マナーを12項目にわたって詳しく解説します。
さらに、よくあるNGパターンも併せて紹介し、失敗を防ぐためのポイントをお伝えします。
1. 着物のたたみ方
着物を正しくたたむことは、保管や持ち運びの際に非常に重要です。
着物を乱雑に扱うと、シワや汚れがつきやすくなります。
たたむ際には「本だたみ」と呼ばれる伝統的なたたみ方を覚えておきましょう。
NGパターン:
- 適当に丸めて収納してしまう。
- 折り目を無視してたたむ。
ポイント:
- たたむ前に汚れやほこりを軽く払う。
- 袖や襟を揃えて、コンパクトにたたむ。
2. 帯の締め方
帯は着物を固定し、美しいシルエットを作る重要なアイテムです。正しい位置と締め方をマスターすることで、着物全体のバランスが整います。
NGパターン:
- 帯が緩んでしまい、着崩れする。
- 帯の結び目が左右非対称になる。
ポイント:
- 鏡を使いながら確認する。
- 必要に応じて帯枕や帯板を使用して安定感を高める。
3. 長襦袢の着用マナー
長襦袢は着物の下に着るインナーの役割を果たします。襟元が見えるため、清潔に保ち、きれいに整えておくことが大切です。
NGパターン:
- 襟元がヨレヨレでだらしなく見える。
- 長襦袢の色や柄が着物と合わない。
ポイント:
- 襟芯を入れて襟元をきれいにする。
- 着物に合うシンプルなデザインの長襦袢を選ぶ。
4. 足元のマナー
草履や足袋の選び方や履き方も重要です。正しいサイズを選び、きれいに整えて履くことで、全体のコーディネートが引き締まります。
NGパターン:
- 足袋が汚れている。
- 草履が歩くたびに脱げそうになる。
ポイント:
- 足袋は着用前に必ず洗濯する。
- 草履のサイズを試着して確認する。
5. 動作のマナー
着物を着ているときは、普段の動作も慎重に行う必要があります。
特に階段の上り下りや座るときは注意が必要です。
NGパターン:
- 裾を踏んでしまう。
- 座ったときにシワができる。
ポイント:
- 裾を軽く持ち上げて歩く。
- 座るときは手で着物を整えながらゆっくり腰を下ろす。
6. 小物の使い方
帯留めやかんざしなどの小物は、着物のアクセントになりますが、使い方を間違えると逆効果です。適切な選び方と配置が大切です。
NGパターン:
- 小物が多すぎてゴチャゴチャした印象になる。
- 帯留めがずれてしまう。
ポイント:
- 小物は着物の柄や色に合わせて選ぶ。
- 着用前にしっかり固定する。
7. 季節感を意識したコーディネート
着物には季節ごとに適した柄や素材があります。
季節感を意識した選び方をすることで、より洗練された印象を与えます。
NGパターン:
- 冬に薄手の素材を着て寒そうに見える。
- 季節外れの柄を選ぶ。
ポイント:
- 春は桜、夏は朝顔など、季節の花柄を取り入れる。
- 季節に合った帯や小物を合わせる。
8. 着崩れを防ぐ工夫
長時間着物を着ていると、どうしても着崩れが気になります。
事前に着崩れ防止の工夫をしておきましょう。
NGパターン:
- 動くたびに帯がずれる。
- 裾が広がってしまう。
ポイント:
- 着付けの際に腰紐をしっかり締める。
- 着崩れ防止用のクリップを活用する。
9. 挨拶や立ち振る舞いの注意点
着物を着ているときは、所作が特に目立ちます。礼儀正しい挨拶や立ち振る舞いを心がけましょう。
NGパターン:
- 無理に動いて着物を引っ張る。
- 背中が丸まってしまう。
ポイント:
- 背筋を伸ばして立つ。
- 挨拶の際は軽くお辞儀をして優雅さを演出する。
10. 写真撮影時の注意点
記念写真を撮る機会が多い着物姿では、撮影時のポーズや立ち位置にも気を付けましょう。
NGパターン:
- 裾や袖が乱れている。
- 不自然なポーズで着物が崩れて見える。
ポイント:
- 撮影前に鏡で全身をチェックする。
- 袖を軽く整え、自然な笑顔を心がける。
11. 着物の保管方法
着物を長持ちさせるためには、正しい保管方法を知っておくことが重要です。
NGパターン:
- 湿気の多い場所に保管する。
- 防虫剤を直接着物に触れさせる。
ポイント:
- 風通しの良い場所で保管する。
- 和紙や桐のタンスを活用する。
12. TPOに応じた着物の選び方
着物にはフォーマルからカジュアルまでさまざまな種類があります。
シーンに応じた選び方をすることで、場にふさわしい装いを実現できます。
NGパターン:
- 結婚式にカジュアルな小紋を着る。
- 日常的な場面で豪華な留袖を着る。
ポイント:
- フォーマルな場では黒留袖や色留袖を選ぶ。
- カジュアルな場では小紋や紬がおすすめ。
着物の知っておくべき基本マナーまとめ
着物を着ることは、ただ美しい衣装を身にまとうだけでなく、日本の文化や礼儀を体現する行為でもあります。
初心者の方は、ぜひこれらの基本マナーを参考にして、自信を持って着物を楽しんでください。
(記事制作者:廣田)
コメント